人生、あせらず楽しもう!

ご覧いただき、ありがとうございます。今の日本人には「感謝と謙虚」が必要です。日本という村社会で権力者によって支配されたテレビや新聞に惑わされないために、自分で情報を調べ蓄積し分析し洞察する事が大切です。何事も決して周りに押し流されず、焦らずに自分で真実を見抜かないといけません。

少子高齢化の人口減の社会で、路線バスの運転手確保は厳しい時代に

10年以上前の2004年に日本社会の人口統計グラフから日本の将来を分析した内容でブログ記事を書いていました。その時の人口統計グラフです。これを見ると、日本の人口は戦前(満州事変)から戦後の高度成長期(正しくは復興期)、成熟期、停滞期、そして人口減少による衰退期に向かっている事がよくわかります。何より日本は世界の中でも少子高齢化が凄い国になりました。

 

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このままの状態だと、間違いなく生産労働者が激減します。社会にとって重要な職業である公務員、特に治安・防衛に関わる仕事、つまり警察官や自衛官などの体力が必要な職業に十分な若者の人数が確保できなくなります。これは、路線バスやトラックの運転手にも言えますが、若い労働者の人材不足を補うために雇用が高齢化(定年延長)するのです。さらに、現在の賦課方式の年金制度は維持できなくなります。税金を納める国民より、もらう国民の方が増えるからです。そして、地方自治体も行政サービスを縮小しない限り、財政破綻する自治体がどんどん増えます。

 

コロナ禍前の2018年12月10日のニッポンドットコムの記事に「高齢化や人口減で利用者が減少している地方路線の経営は苦しい。」「一方、都市部であってもバス事業の運営は厳しい。東京都交通局が発表した17年度の都営バスの系統別収支によると、全127路線中、81路線は赤字で、黒字はわずか46路線だった。(中略)業界全体が慢性的な運転士不足に陥っているため、運転士の確保が難しく、逆に黒字路線すら減便せざるをえなくなっている。」と書かれています。大都市である東京都交通局でも、このありさまです。地方都市である京都市交通局は非常に厳しい状態、つまり維持困難な状態にある事は間違いありません。にもかかわらず、立命館大学行きの市バスを増便増発したりしているのです。これは全国の路線バスの動向と比較しても変だと思います。赤字運行路線を増やしているのです。何かの権力が働いているからでしょう。

 

この路線バスの運転手不足状態から脱却するために、民間バス会社では、ほんの一例ですが、下記の記事のような創意工夫もしています。一方、公営企業(役所)である京都市交通局は、地下鉄の廃車部品(合計700万円)を売ったり、市バスの座席シートのクッションや方向幕のタオルを販売したりと、まるでタケノコの皮を剝いでいくような断捨離をするぐらいで、まったく危機感がありません。京都市交通局は、自分達の債務残高(有利子負債:3743億円)がどれくらいあるかを把握しているのでしようか?菓子パンの袋に地下鉄のアニメキャラクター広告を載せているようでは、本来の役所の意義がありません。役所とは市民のためにあるのです。組織や身分を堅持するためにあるのではありません。

 

 

話を本題に戻し、バス運転者経験者の採用状況について、公益社団法人日本バス協会のアンケート調査では、大型二種免許を持っていても運転経験がない者や運転技量が未熟な者は採用しない事業者が顕著に増えているようです。大型二種免許保持者の二割が路線バス運転手のようで、その割合は非常に低く、これから先の少子化の影響で大型二種免許保持者も減っていきます。京都市交通局などのように、大型二種免許も持っていない者を採用し、自社で養成する事業者は今後増える可能性はありますが、どれだけ応募する若者が増えるかです。おそらく、路線バスの運転手より社会に必要不可欠な警察官や自衛官の成り手の方が不足しますので、ますます運転手への応募は減るでしょう。

 

警察庁の調べでは、大型二種免許保有者数は減少し続けており、2009年末の保有者数は1089135人で、2002年末と比べると95927人減少しているようです。特に44歳以下の減少傾向が著しく、大型二種免許保有者の高年齢化が進んでいると発表しています。これは日本の少子化が明らかに影響しています。そこで警察庁は二種免許取得の受験資格を「21歳以上」で「普通免許などを保有して3年以上」と規定されていますが、これを緩める方向にあります。しかし、法律や規則を緩めると、どうなるか?交通事故が増えるのです

 

なぜ、路線バスの運転手の成り手が減っていくのか、その理由のひとつが待遇だと思います。つまり、労働時間が長いからです。海外の路線バスの運転手は、日本の路線バスの運転手と違い、まず制服を着用していません。日本の場合、まるで旅客機のパイロットのように帽子をかぶりネクタイしめて運転しています。この慣習が果たして良い事なのかどうかはわかりませんが、日本という国は何事につけて堅苦しい習慣があることは間違いないです。これが社会を閉塞化しているのだと思います。つまり、息苦しい社会です。

 

そして、何より欧米では、全業種でバケーション制を採用しています。年間二週間前後の連続休日を取る事を義務化しています。日本のように、政府が決めたカレンダーの短い連休しか休めないような社会ではありません。まして、お盆休みや正月休みなど、国民が一斉に休む事などありません。これが道路渋滞の原因となり、高速道路では毎年死亡事故が発生するのです。

 

物事は逆転の発想が大切です。運転手が足りないのではなく、路線バスを増やし過ぎたから、運転手が足りなくなるのです。路線バスを減らせばいいのです。これは運転手だけに限りません。日本社会は人口が増え過ぎたために様々な問題が発生するのです。世界も同じ、人間が増え過ぎたから、食糧やエネルギー資源の問題が出てくるのです。路線バスの運転手を増やす事よりも、減らす事を考えれば良いのです。すべてが解決できます。さらに物事は集中させるのではなく分散させる事が重要なのです。東京一極集中と同様、特定の道路に路線バスを集中して走らせるのではなく、別の道路に分散させて走らせれば、騒音や排気ガスなどの公害を軽減できるのです。こんな簡単な事もわからない日本の役所、京都市はどうかしていると思います。日本人の質の低下が悔やまれます。劣化して行くばかりです。500年後には、日本の人口は100万人です。そうなる前に他国に征服されるでしょう。