京都市交通局のヤミ専従については、4年近く前の過去のブログで書いています。このヤミ専従問題、これは京都市交通局に限った事ではありません。労働組合がある地方公務員はすべて対象になります。もちろん国家公務員もです。なぜ公務員に労働組合が必要なのか?これについても以前のブログで書いています。この問題には、実は首長選挙が関わっているのです。そして労働組合幹部の外郭団体への天下りにもつながっていきます。
京都市幽霊バス問題、今もヤミ専従をしているのでしょうか? - 人生、あせらず楽しもう!
ヤミ専従は何のためにするのか?それは地方公務員が選挙活動をするためです。なぜ地方公務員の労働組合が市長選や知事選などに加担するのか?それは公務員が自分達の身分職の優遇を維持するため、さらに待遇を良くするためです。森口朗氏が書かれた「自治労の正体」に地方公務員の労働組合である自治労(全日本自治団体労働組合)について詳しく書かれています。そこには東京都の清掃職員の平均年収は792万円、民間だと395万円でその二倍。消費税10%の内、2.2%は地方消費税で自治体の職員のための予算です。だから自治体は増税に賛成するのです。
たまたまネットで闇専従を検索していると、以下のYouTubeがありました。京都市の異端児の政治家である村山祥栄氏のサイトにありました。この動画の中にいろいろ裏話(事実)があります。市民は公務員の実態をほとんど把握していません。会社員とは違う身分職の公務員は影で悪さをするのです。働いていないのに給料を二重でもらう闇専従の公務員がどれほどいることでしょう。それがエスカレートすると受託収賄につながっていくのです。
大西宏幸氏は元大阪市会議員で自民党の前衆議院議員です。大阪市会議員時代に建設局などの労働組合によるヤミ専従問題の解消に取り組みました。労働組合から命を狙われ、警察の警護がつくほどの抵抗があったようです。新聞社で取り上げられ、テレビ番組で放送された事で、当時の大阪市長がヤミ専従を認めたのです。2004年に発覚したヤミ専従では、大阪市で組合幹部129人が処分され、不正受給した給与は1億1200万円です。実際にヤミ専従に関与した公務員は数千人規模で不正給与も十倍以上あるでしょう。この大阪市のヤミ専従問題を暴いた後、大西氏は村八分にされたようです。同僚議員や先輩議員に地方公務員のアラを探して針でつつくような事をすると告げ口されるのが日本の村社会です。京都市交通局の市バス運転手の年収が1000万円という話も、このヤミ専従が絡んでいるのです。最近は手口が巧妙化しており、闇ヤミ専従と呼ばれています。京都市の議員が誰も京都市交通局のヤミ専従に首を突っ込まなかったのは、村八分にされたくなかったからです。さらに落選するのが恐いのです。この程度の議員しか京都にはいません。京都市が良くなるはずがありません。
ヤミ専従の歴史は長く、2009年12月に長妻昭厚生労働相が解体される社会保険庁から日本年金機構への再雇用の際、無許可で組合活動をして処分を受けたヤミ専従の約20人の職員は不採用にしました。その際に京都や大阪、東京でもヤミ専従が発覚したのです。そして最近の2019年に発覚した神戸市のヤミ専従問題、関与した退職職員数は189人(労組役員と人事部局の職員73人が懲戒処分、116人が訓戒処分)もいます。これ以外にも、2009年に農林水産省の職員によるヤミ専従問題があります。探せばいくらでも出てきます。2010年に北海道開発局のヤミ専従で4100人が処分されています。すごい数です。これは国土交通省からの出向職員(国家公務員)が給与を二重に受け取っていたのです。被害金額は2億円です。恐ろしい事に1960年代から公務員は職場を無断で離れて労働組合の仕事(選挙活動)をしていたのです。既に退職した元職員については調査対象外です。つまり、ヤミ専従に関与した公務員がもっといたはずです。とてつもない数です。
現代ビジネスの神戸市のヤミ専従問題の記事の中に、共産党と自治労を支持母体とする旧民進系(現在の立憲民主党)の「こうべ市民連合」は「不当な労使介入につながる」「労働組合を弱体化させる」という理由でヤミ専従問題に関与しなかたのです。市議会でヤミ専従問題を追及したのは自民党の政治家だけです。「組合に支援してもらっている政党では、この問題は指摘できない」と左派系政党を批判したとあります。つまり、日本共産党や立憲民主党は地方公務員の労働組合が支持母体なのです。京都の前原誠司も自治労からの支援を受けています。
さらに神戸市長はヤミ専従は昔に根絶された問題と理解していたようです。今回の2019年に発覚したヤミ専従を「亡霊」と表現しています。なぜ神戸市だけで?ヤミ専従が現在まで生き残ったのか?その理由も書かれています。これは「自治労の正体」にも同じような事が書かれていました。神戸市では新規採用職員研修で組合役員が講義をした後、組合への勧誘活動や加入手続きの案内を行い、加入しなかった新入職員には別の日に改めて加入するよう説得し、市幹部が無言の圧力をかけていたと指摘しています。いわゆる、パワハラです。これは京都市も同じです。何事につけても市職労にお伺いを立てければならない労使関係が常態化し、たとえ組合員でも幹部が決めた方針に従わない人間がいれば、周囲の組合員がすぐに執行部に密告します。勤務中に呼び出され、所属長に執行部から内々に連絡がいくといった手筈です。そして市職労の力は市の人事にも大きく影響し、市役所内の大きな派閥の一つに人事畑の人事族があり、人事権を武器にしています。まるで内閣人事局です。これは今の京都市長が民主党政権時代につくった部署です。つまり、政治家が官僚の人事管理を目的につくられた局ではなく、官僚が政治家を利用するための部署なのです。
歴代市長が労使の癒着を根絶できなかったのは、市職労の大きな集票力(組織票)があるからです。約9000人の組合員にその家族も加えれば、数万票単位の選挙の時に組織票が見込めます。これは市議会議員の当選を左右する票数です。さらに神戸市も含めた地方自治体の首長選挙は行政職員OBが主要な役割を担い、選挙候補者は市職労と敵対し、市職員OBの協力を失えば、間違いなく落選します。恐ろしいほどの日本の自治体での権力構造です。民主主義の選挙が日本ではできないのは当然です。明らかに村社会の村長選びです。ここまで地方公務員が権力を持ち続けると、欧米のような民主主義政治はおろか市民のための行政など到底できるわけがありません。地方公務員の労働組合(自治労)が日本の政治をダメにしたのです。首長をはじめ政治家が自治労の言いなりになっているのです。もっと言えば、日本は官僚を含め公務員が天国になるようにした政治家が悪いのです。政治家が公務員に頭が上がらない国では、いずれ日本は滅びます。政治家がいう市民とは公務員(身分職)の事です。つまり組織票にならない庶民は市民ではないのです。日本の選挙は、いくら庶民が投票しても結果は何も変わらないのです。それが社会主義国家です。