人生、あせらず楽しもう!

御覧いただきまして、ありがとうございます。今の日本人には「感謝と謙虚」が必要です。権力によってメディアコントロールされたテレビや新聞に惑わされないために自分で調べて分析する事が大切です。何事も決して周囲に押し流されてはいけません。真実は自分で見つけ出すものです。

敬老乗車証負担金と京都市バスの将来、

本日の読売新聞オンラインに敬老パスの廃止・見直しについての記事が出ていました。これは以前からの関心事項のひとつです。このブログで何度も記事にしていますが、高齢者がバスや電車に割安で乗れる敬老パスは、「敬老乗車証負担金」という補助金が各自治体から交通機関に投入されています。

www.yomiuri.co.jp

京都市交通局の場合、毎年45億3600万円以上ものお金が一般会計の予算に組み込まれています。コロナ禍前の平成30年度の市バス総運送収益217億円に対して経常支出198億円、差引き19億円の経常黒字です。しかし、売上の中身を分解して見ると、13億円も広告収入などがあり、さらに「敬老乗車証負担金」が売上の中に入っています。つまり、負担金がなければ、京都市交通局の市バス部門は毎年大赤字状態が続いているという事です。

 

産経新聞など新聞各社は、昨年に京都市の財政難で敬老乗車証を75歳に段階的に引き上げるという記事がありました。そこには「同制度は昭和48年に創設。当時は対象者が約7万人だったが、社会の高齢化に伴い対象者は年々増加し、当初3億円だった市の負担額は17倍の52億円にのぼっている。」と書かれています。毎年、京都市は敬老乗車証負担金を増やしているのです。同時に市バスの売上も伸びているわけです。しかし、その金額が49年間で17倍になるという凄まじい増え方です。ここが疑わしい点です。高齢者の数が50年前に比べて20倍近く増えているのでしょうか?利用者数も同じように17倍に増えているのでしょうか?京都市の場合、本来の敬老パス負担金ではなく、地下鉄や市バスの赤字補填金ではないのでしょうか。

www.sankei.com

つまり、敬老パスを利用する高齢者が増えているから、敬老乗車証負担金も増えているというのが正論なのか、敬老乗車証負担金を増やしているから市バスの売上が伸びているという論点があります。三年前の朝日新聞デジタルの記事には次のように書かれています。「横浜市では利用者1人あたりの月間のバス乗車回数を15回と想定し、市がバス事業者に助成金を払っている。ところが、市が利用者から回答を得たアンケートによると、乗車回数は月25回。バス事業者が乗車実績に見合う助成金を受け取っていない状況が浮き彫りになった。」とあります。

www.asahi.com

朝日新聞に書かれているような、交通機関が敬老乗車証負担金の金額が少ないと悲鳴をあげるような書き方をした記事は京都市交通局にはありません。むしろ、財政難で利用者の年齢を上げ所得制限などで市の負担率を減らし、「市は23年度からは敬老乗車証制度の見直しにより、事業費は52億円から32年度に25億円に減る見通しだ。」と書かれています。京都市の場合、敬老パスの実際の利用率ではなく、京都市交通局への予算割当てなのです。これまでの公式資料を見ると、京都市民の市バスの利用者数は極端には伸びていません。むしろ横ばいで減少傾向です。観光客が増えただけなのです。にも拘らず、敬老乗車証負担金が毎年増え、49年前の17倍になるというのは不思議な事です。

www.nikkei.com

財政難で京都市の敬老乗車証負担金が減らされることにより、10年後の京都市交通局の売上金額は27億円減る事になります。コロナ禍前の平成30年度の数字から推測すると、おそらく経常黒字はゼロもしくはマイナスになります。京都市京都市交通局自体の存続を諦めることになるでしょう。つまり、京都市内は民間バス会社の路線バスだけになるということです。民間バス会社のバス車両が少ないという理由で市バスの運行委託契約が今もなお存続されていますが、これこそが税金の無駄遣いなのです。そして、何より京都市にしろ交通局にしろ、赤字運行についての認識が非常に甘いということです。企業で赤字経営を続けるという事は倒産を意味するのです。

 

長年、赤字経営京都市交通局は、地下鉄事業を私鉄各社に売却し、市バス事業を株式会社化することにより、市バスの過剰運行と重複路線の統廃合を実現することができます。なぜなら、赤字運行は株式会社ではできないからです。京都市も長年の財政難を克服できます。歓迎すべき事です。これが資本主義社会での民主主義政治です。京都市は官僚制社会主義政治から一日も早く卒業するべきです。京都市交通局は、米国の巨大金融機関のように「大きすぎて潰せない」というわけではありません。京都市は、尻に火がついているのに市長も含め市議会議員が身を削る覚悟がないからです。地方自治体が交付金に頼り切った行政をしている限り、借金は減らずに増え続け、最後は破綻するのです。日本をダメにしたのは、日本の政治(政治家)が悪いから。そして、官僚(役人)が悪いから。これは京都も同じです。