人生、あせらず楽しもう!

御覧いただきまして、ありがとうございます。今の日本人には「感謝と謙虚」が必要です。権力によってメディアコントロールされたテレビや新聞に惑わされないために自分で調べて分析する事が大切です。何事も決して周囲に押し流されてはいけません。真実は自分で見つけ出すものです。

京都市バスの運行委託契約、交通事故が起きた場合、責任の所在は?

京都市交通局が民間バス会社に運行委託していますが、万一交通死亡事故が起きた場合には、その責任はどこが取るのでしょうか?一見、京都市バス京都市交通局に採用されている運転手が市バスを運転しているように見えますが、実際には運行委託されている民間バス会社の運転手なのです。例えば、西日本JRバスや京阪バス、京都バス、近鉄バスなどです。もしも交通事故が起きた場合は、京都市交通局が当事者になるのでしょうか、それとも民間バス会社が当事者になるのでしょうか?

朝日新聞市バス運転手のマイクによる暴言記事に「運転手は、市が運行を委託している西日本ジェイアールバスの社員」と書いています。これは、ある意味で京都市交通局がその責任の所在を明らかにしているようなものです。交通事故が起きた場合にも、京都市交通局は市バス車両は民間バス会社にレンタルしているだけなので、運行委託している民間バス会社の責任だと主張する可能性があります。京都市交通局は、民間バス会社にバス車両と路線をレンタルし、市バス運転手は派遣社員なんですと言いそうです。でも、運賃売上は京都市交通局のものでしょ、賠償責任はあります。

 

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これに、よく似た事が2008年に起きています。それは、デジカメやプリンターで有名な精密機械メーカーのキャノンの「派遣切り問題」です。派遣社員が雇用主である派遣会社や請負会社ではなく、雇用関係に無いキヤノンに派遣切りの異議申し立てをしました。その時にキャノンの当時の社長である御手洗氏が「我々は派遣会社と契約しているので、派遣社員の解雇については知らない」と答えたのです。しかし、実際は派遣会社に請負契約の終了などはキャノンが指示しています。キャノンが派遣切りをしたと言っても過言ではありません。これ以外にも、キヤノンには偽装請負問題がありました。キヤノンは請負会社の社員には直接指示命令はできませんが、実際はキヤノンの社員が請負会社の社員に直接指示をして、実質派遣契約となる偽装請負をしていました。仕事を依頼する会社の社員に直接指示指導するには、派遣契約を結ばなければならないのです

 

京都市バスの運行委託契約は、このキャノンの請負契約と同じようなものなのでしょうか?「運行」を委託するという事は、時刻表も委託会社に任せるという事でしょうか。しかし、実際には京都市交通局が時刻表を管理し張り替えています。ということは、市バスを運転するだけの契約なのでしょうか、であればバス運転手の人材派遣です。民間バス会社は人材派遣業の認可が必要です。この部分が不透明です。京都市交通局は、民間バス会社の運転手に直接業務指導をしているということはないのでしょうか、派遣と請負の違いが明確になっているかどうか疑わしいです。そして、交通事故が起きた場合の損害賠償責任は、運転手が所属する民間バス会社がすべて責任を負うという事になるのでしょうか?

 

ひとつ問題なのは、請負契約(民法632条)なのか、委任契約(民法643条)なのかという事です。市バスの運行委託契約の「委託契約」というものは、民法の条文にはありません。もし運行委託契約が委任契約というものであれば、請負契約と異なり受託者には責任が発生しません。委託者からの業務を遂行したけれど、行為の遂行によって生じた成果物の質や結果には責任を持たなくてよいということです。つまり、受託した民間バス会社の運転手が交通事故を起こしても、民間バス会社としては賠償責任には負わなくてよいということになります。第三者への賠償責任があるのは、市バス車両をレンタルして運賃売上を取っているバス会社、つまり京都市交通局にあるのです。運行委託契約先の路線バス会社の運転手が起こした事故には京都市交通局が法人として損害賠償請求に応じなければならないということです。そして、市バスの運転手が派遣ではなく業務の請負ならば、京都市交通局は直接に民間バス会社の運転手に業務の指示指導はできません。もし運行委託先の運転手に業務の指示指導を京都市交通局が直接しているのであれば、それは偽装請負になるのです。

 

路線バスの管理の受委託について、

・委託する事業者は運賃やダイヤの設定、車両導入や保有、停留所の設置など、経営上の責任を負う。※要するに、運行上のすべての責任を負うという事です。つまり賠償責任を負わなければならないのです。

・受託する事業者は日々の運転業務・整備管理業務・運行管理業務などを行う※運賃やダイヤを決めることはできない。賠償責任も問われない。もちろん、運行(運転)の仕方も指導できない。だから、京都市バスを運転する西日本JRバスの運転手は「ピンポン!」と注意喚起音(騒音)を鳴らします。しかし、騒音や苦情の責任は京都市交通局が負う事になります。

 

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おそらく、一部では業務の指示指導をしていると思います。なぜなら「快速立命館」と「立命館ライナー」の本数を決めるのに両者が話し合っているからです。西日本JRバスの「立命館ライナー」をなくして「快速立命館」に統一し、そのダイヤ(時刻表)を変更して決めたのは京都市交通局です。全く同じ路線を市バス車両にするのかJRバス車両にするのかの違いで、両方の運転手は西日本JRバスの運転手です。その割合も京都市交通局が決めているのです。朝晩の「蘆山寺通」がどれくらい渋滞しているのかを知っているのは、西日本JRバスの運転手だけです。路線バスの位置情報システムだけではわからないのです。その情報を委託先の京都市交通局に報告したり、逆に京都市交通局が受託先の西日本JRバスに聞いている事は明らかです。これは、共同運行を隠れ蓑にした一種の「偽装請負」だと思います。

 

道路運送法第35条

1.一般旅客自動車運送事業の管理の委託及び受託については、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
2.国土交通大臣は、前項の許可をしようとするときは、受託者が当該事業を管理するのに適している者であるかどうかを審査して、これをしなければならない。※入札価格だけではなく、京都市交通局の言う事に逆らう事業者は選ばれないという事です。

 

よく考えると市バスの運行委託契約というのは、本来の路線バス会社の姿ではありません。京都市バスという名板貸行為(商法23条)だと思います。商法23条には「自己の氏、氏名又は商号を使用して営業を為すことを他人に許諾したる者は自己を営業主なりと誤認して取引を為したる者に対し其の取引に因りて生じたる債務に付其の他人と連帯して弁済の責に任ず」とあります。つまり、京都市交通局も運行委託している市バス車両で民間バス会社の運転手が交通事故を起こした場合、第三者への賠償責任を免れないという事です。そして、民間バス会社は賠償責任は問われないのです。なぜなら、業務を委託されているだけで、その結果責任を持たない委任契約(民法643条)だからです。それが西日本JRバスの運転手の態度に出るわけです。

 

非正規労働問題が世間でこれだけ騒がれている現在において、京都市交通局がしていることは時代に逆行するようなことをしているのです。だから、京都市が財政難になるのです。このブログで京都市バスの細々した事を書いていますが、その中には京都市自体の弱点(盲点)が隠れているのです。役所による国民への無礼な対応には、実は日本の欠点があるのです。おとなしい日本人が黙っている社会は民主主義社会ではありません。それは息苦しい社会主義国家です。もうそろそろ、日本国民ひとり一人がそれに気付いても遅くはありません。日本の労働環境は奴隷以下です。日本の貴族である政治家は、長距離トラック運転手の労働状況を是非見てください。貴族である前に一国民として知るべき現実です。皆さん、日本は「人身取引大国」であることをご存じですか?オーストラリアの人権擁護団体は「日本には現代の奴隷が8万人存在する」と2013年に調査報告を発表しています。アメリ国務省の報告書にも「日本は人身取引根絶のための最低基準を満たさない国」と批判しています。政府によって報道規制されたメディアでは良い事しか言いません。