人生、あせらず楽しもう!

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路線バスは少子高齢化社会では儲からない。赤字路線は補助金で維持される時代に、1

京都市交通局の市営バスだけでなく、日本中の路線バス会社は赤字だらけです。昭和時代の高度成長期は人口も経済も増加し、路線バス事業は儲かっていました。黒字路線が赤字路線を補うことができていたのです。しかし、日本社会が少子高齢化していくと、バス利用者も減少し、乗務員(バス運転手)も不足し、この仕組みが維持できなくなります。さらにコロナ禍になると、路線バスだけでなく貸切バスや観光バスも大損害を受けています。もう既に京都市バスも含め、路線バスの運営は民間公営問わず、自治体からの補助金なしには運営できないのです。税金が投入されても赤字なのです。民間バス会社では倒産している会社が増えています。

 

以前のブログで、京都市交通局京都市から毎年45億円以上もの税金が負担金(売上計上)や補助金として投入されていた事実を説明しています。ただし、京都市の場合はその金額が莫大なのです。他の自治体とは桁違いです。財政難になるのは当然です。

 京都市交通局の売上には、京都市の一般会計から「敬老乗車証負担金」として45億3600万円も投入されていた! - 人生、あせらず楽しもう!

 

ネットでいろいろ調べると、路線バスの現状と将来について書かれている資料がたくさんあります。その中で、高知県とさでん交通株式会社の片岡社長が「地方のバス事業者が抱える課題とその早急な対策の必要性について」(平成30年6月5日)という資料がありました。具体的によく分析された素晴らしい資料です。京都市交通局の資料とは雲泥の差があります。現実を直視せず、都合が悪い事実は隠し、文章で誤魔化した矛盾だらけの資料とは大違いです。

 

この中で、地方のバス事業者の現状という頁で、以下のように指摘されています。

 1.人口減少イカー普及等の影響から、路線バス事業は地方においては 既にビジネスモデルとして崩壊しており、もはや福祉事業といっても過言ではない状況にある。

2.「利用者減少→収入減少→利便性低下→利用者減少」という負のスパイラルに陥っている構図である。

3.路線バス事業は、補助金を受け入れても赤字の状態であり、事業者は高速バスや貸切バス、あるいは他の事業の黒字をもってこの赤字を補填している。また、資産の切り崩しや賃金カットでの対応も余儀なくされているため、老朽化する施設設備の更新も職員募集の点でも苦境に立たされている。※ちなみに、軌道事業も基本的には路線バス事業と同様の状況にあり、赤字となれば他事業から補填するしかない(注:路線バス事業のような運営費補助の制度がない)。
4.路線バス事業の赤字を補填する役割の他事業も、地方の産業競争力の低下等からその補填の体力、余力を落としている。 会社全体が負のスパイラルに陥る構図。補助団体にあたる地元自治体も、産業力等に連動する形で財政力の脆弱化を招いている。

 

これらを京都市の現状の財政破綻寸前状態と今後の財政再生団体(2028年)になった場合を想定すると、同じ結果が京都市バスにも間違いなく現れます。京都市政令指定都市の観光都市であって、地方都市ではないと役所は豪語しそうですが、東京や大阪、名古屋に比べれば、明らかに規模も小さく地方都市です。にもかかわらず、京都市はいつまでも地下鉄や市営バスを運営しているのです。

 

さらに、バス路線廃止の場合の具体的影響についても、まとめられています。一般人では知り得ない情報がありました。それは、「路線を廃止しても、間接(固定)経費は削減できない。かつ、この固定費は中長期的に負担として残り続ける」です。これは何を言わんとしているかと言いますと、運転手(社員)をクビにしない限り、給料を払い続けないといけないのです。それならば、赤字であっても運行する方がマシ→赤字の累積→やがて破綻。これは乗務員が充足されている場合のケースです。乗務員不足の場合は、時間的余裕がなく 、強制的に路線廃止となり 、経営破綻に追い込まれると説明されています。民間バス会社と市営バス会社(公営企業)の徹底的な違いは、事業の専門性です。役所は数年毎に人材が入れ替わります。しかも畑違いの他部署から人事異動します。これが知識不足になるのです。ひとは知識がなければ、どうするか?模倣(モノマネ)しかないのです。

 

民間バス会社の場合は、公営企業(役所)とは違い、税金の投入がありません。天変地異が起きると、死活問題になるのです。しかし、公営企業だからと言って、赤字でも運営し続けていると債務が累積し、やがて自治体の財政負担が大きくなり破綻します。それが、現状の京都市です。市バスの運行委託問題は、今後の少子高齢化による乗務員不足によって、バス路線廃止につながっていきます。増え過ぎた京都市バスの路線が自然減少する日も近いと思います。市民にとっては歓迎すべき事です。税金の無駄遣いが減り、住環境が維持されるからです。