ネットで「市バス 損益分岐点」と検索すると以下のふたつサイトがありました。以前のブログで路線バスの車両価格から一台の路線バスで、どれだけ売上を上げないといけないのか、原価償却年数を何年で考えないといけないのかなど分析していましたが、このサイトにも同じように、より詳しく分析されています。注目すべき点は、コスト計算でバス運転手の人件費を年収400万円で計算していることです。
京都市バスの運転手の年収はこれの2倍近くあります。民間企業で親会社と子会社の年収の差が1.5倍違うだけでも相当な差ですが、京都市バスの運転手の人件費がいかに高いか、言い換えると、いかに原価率が高いかということです。これでは黒字にはなりません。まして、公営企業ですから、赤字ならば、税金を毎日ドブに捨てているのと同じようなものです。走れば走るほど、税金を無駄にしているのです。財政破綻寸前の京都市は、1円でも無駄な税金を使わないようにしないといけないという意識が必要なのです。
さらに、ツイッターでも同じように「市バス 損益分岐点」と検索するとヒットする呟きがありました。日付を見ると三年前です。コロナ禍の前でも、京都市バスは赤字運営状態だったのです。地下鉄と合算で京都市交通局は損益を見ていますが、京都市の財政破綻の原因は、こんな所にもあったのです。しかし、それを指摘されても、何の改善策も講じない役所と市議会が存在しているのです。そんな悠長な事はしていられないはずです。刻一刻と財政破綻、財政再建団体になる時が近づいているのです。毎日、徐々に首が締まっていっているのです。
このグラフを作られた方は、京都市交通局の「交通事業白書」を元にエクセルか何かでグラフ化されたと思いますが、日本の役所が作る資料というのは、悪い部分はゲタを履かせ、良い分はさらによく見せるという悪い癖があります。最近の日本で起きる省庁の事件や問題は、公文書を簡単に都合よく改ざんしていることです。自治体だけでなく、政府が数字を誤魔化しているのです。このブログで書いていますように、京都市バスの路線の八割が実際は赤字運行です。その状態でも、市バス路線を統廃合するどころか、路線数を増やしているのです。危機感がまったくありません。正直、考えられない話です。これは、資本主義ではなく社会主義そのものです。恐ろしいです。何のために財務諸表を作っているのでしょうか。意味がありません。
7月1日付けの京都新聞に「京都市職員ボーナス84万円 京都府と京都市、首長や議員、職員への支給額は」という記事がありました。京都市は総額174億9600万円の支給です。財政破綻寸前の大赤字の公営企業(役所)でも、賞与が出るのです。成果主義の民間企業では利益も出ていないのにボーナスがもらえる事など考えられません。ちなみに全日空はボーナス無しです。これが企業経営です。京都市交通局は、公営企業と言っても、結局は役所なのです。実際は、市民にはバレないように税金で市バスや地下鉄を運営しているわけです。そんな事では金銭感覚も経営感覚も何もありません。社会主義そのものです。恐ろしい自治体です。