人生、あせらず楽しもう!

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なぜ、京都市バスは乗客数が増加しているのに、経常損益が赤字になるのか?1

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儲からない路線を民間の路線バス会社へ運行委託しても受託バス会社が撤退するのは当然です。これまでのブログでも書きましたが、民間企業は赤字経営をしているとおおよそ三年程で倒産します。ゾンビ企業は別です。民間バス会社は京都市バスの赤字路線を委託されても、利益計算すれば結果が明らかなことぐらい最初からわかっているはずです。それでも京都市交通局から委託料(売上補填)をもらえるので、受託するわけです。自治体から資金を提供されるゾンビ運行です。しかし、基本的に路線バスの売上金は、運賃×乗車人数の旅客収入です。そこから人件費、車両経費やガソリン代などの固定費を引けば、赤字か黒字かはすぐわかります。京都市交通局の市バス事業の原価率は、ほぼ90%以上です。つまり、ほとんどが人件費と経費の固定費なのです。利益はほんの少しです。いかに生産性が低いかがわかります。※このブログを書いた頃は、運賃売上が京都市交通局のものであることを知りませんでした。受託バス会社は運賃収入は委託先(公営企業)に盗られて委託料だけもらうのです。いくら乗客が増えても受託バス会社の売上には反映されないのです。

 

京都市交通局はドル箱路線を市営バスで運行し、儲からない路線(赤字路線)を民間バス会社に委託する方法で運営していますが、これでは最初から無理があります。民間企業と公営企業(=役所)では、資金調達の方法に明らかな違いがあるからです。民間企業は「親方日の丸」ではありません。政府が発行した国債日本銀行などが買い取り、その代金が地方自治体にバラまかれるという中央集権国家の資金の流れ(地方交付金)は民間企業(株式会社)にはありません。さらに地方債という地方自治体が発行する公債(国債と同様に市民からの借金)も民間企業にはありません。民間企業にとって、赤字経営を続けていると、資金調達先の銀行などからの企業評価が悪くなり、お金を借りられなくなるのです。銀行からの査定が低くなり貸し渋りになるのです。つまり、運転手の給与やガソリン代、車両リース代金などが支払えなくなります。大企業のように増資などにより、株を発行して市場から直接、資金をかき集めることは中小企業では無理です。銀行からの融資(借金)が唯一の資金調達方法なのです。

 

市バスの運転手の平均給与が47万円で民間バス会社の運転手の平均月給が45万円と記事にありますが、こんなに民間バス会社の運転手の給料は多くありません。市営バスの運転手は地方公務員です。つまり、その給与は運賃売上だけでなく市民から徴収された税金や政府からの地方交付金が原資です。時間外労働や賞与がきっちりと支給されるので、おそらく年収にすると700万から800万円ぐらいになります。しかし、運転手にこれだけの高額な給与を支払うと民間バス会社はどこもすぐに潰れます。なぜなら、運転手の給料はコスト(原価)なのです。運転手のコストを削減しないと会社は利益が出ません。だから、民間企業も役所もボーナスや退職金を支払わなくてよい非正規社員を増やすのです。市バスの民間バス会社への運行委託は、ある意味で人材派遣労働と同じです。これでは給料も上がらず、ヤル気も出ません。それでも民間バス会社は運行受託する市営バスの運転手を募集し続けるのです。理由は、コストである人件費を運賃売上に関係なく、委託料としてもらえるからです。これでは、ますます給料は伸びません。

 

以前「蘆山寺通」で道路補修工事が行われていた時に、交通整理をしている警備員の方に市バスの運転手が「市バス止めたらあかんで!」とマイクで言い放った時には、驚きと同時に怒りがこみ上がってきました。市バスは緊急車両でもないのに、この運転手は自分を何様だと思っているのでしょうか?これは明らかに市バスの運転手は公務員だから、お前らより偉いと言っているのです。上から目線です。同じ人間として情けなく思いました。日本人は社会的地位を身分と勘違いしています。なぜ、同じ人間なのに身分(階層)があり、それにこだわる日本社会と日本人がいまだにいるのか不思議です。インドのカースト制度ではありませんが、実は日本は身分職社会なのです。この運転手が京都市交通局の公務員ドライバーか、それとも西日本JRバスの運転手かどうかはわかりません。しかし、上から目線である事は確かです。

 

現在も日本は「士農工商」という江戸時代の封建(身分)社会が続いているのでしょうか。明治の戸籍には士族(元武士)とか華族(公家出身の貴族)とか、身分が戸籍簿に記入されていたのです。江戸時代の名残の身分に異常に執着していた年代の日本人が大勢いたわけです。それは形を変えて、このように今も残っています。江戸時代より前には僧侶が貴族と同じ身分であった事には驚きます。だから、京都では坊主が威張っているのです。坊主や神主は、宗教という詐欺商法で人間を騙して商売する詐欺師です。日本は、天皇制の官僚統治型社会主義国家で武家社会が残る国ならではの湿気臭い雰囲気がプンプンします。

 

話を戻し、京都市交通局の市バス事業が完全に民営化(株式会社)すれば、民間バス会社の資金繰りがいかに大変かわかるはずです。市営バスの経営には、税金の無駄遣いがいかに良くない事かわかるはずです。身分職のような公務員待遇の京都市バスの運転手や交通局の一般職員と同じような大手企業並みの高額給与を民間バス会社は支給できません。大赤字でもボーナスが出る会社は役所以外にはないでしょう。民間のバス会社だけでなく、タクシー会社や運送会社の運転手がどれほど安い給料で働いているか、どれほど無給労働サービス残業、タダ働き)を強いられているか、役所である京都市交通局はもっとよく調査するべきです。従業員千人以上の大手民間バス会社だけを対象にせず、従業員が三百人以下の中小の民間バス会社も含めて分析すれば、実態がよくわかるはずです。

 

ちなみに、米国の国内線の旅客機パイロットの年収は300万円程度です。日本の航空運賃が高いのは、航空機の運転手であるパイロットの数が少なく、パイロットの年収が2000万円と高過ぎるからです。仮に路線バス運転手の年収を高くするためには、運賃を二倍以上にしないと採算が取れないのです。運転手の給料が高いと、運賃も高くなる。これは常識です。

  

運転手とは、老若男女、誰が運転しても生産性が同じ「同一労働・同一賃金」の典型的な仕事です。このことを理解しないと市バスは経常黒字化はできません。コロナ禍で、どれだけ世界中のタクシー運転手やバス運転手が解雇されたことでしょう。身分保障された日本の公務員ドライバーにはわからないと思います。まして、京都市や交通局の一般職員は想像もつかないと思います。昔から民間企業、特に中小企業で働く従業員がどれだけタダ働き(半強制的なサービス残業)を強いられていることか!劣悪な労働条件で働かされている市民の事など、全く知らない役人(身分職)は大勢います。だから、元公務員が民間企業で働くと続かないのです。あまりにも待遇が悪いからです。逆に言えば、公務員は民間企業では使い物にならないのです。なぜなら働かないからです。役に立たないのです。働く事に対する姿勢が公務員と民間企業の社員では全く違うからです。

 

日本の公務員はすべて、自らを特別扱いしている限り、この国は良くなりません。役人は、同じ人間である国民を人間だとは思っていません。国民を見下しバカにして税金を納める家畜だと思っています。市民を市民として見ていないのです。逆に市民から自分達の身分をいかに守るかに拘っています。その証拠に特定の道路に路線バス、つまり市バスを集中的に通行させても何とも思わないのです。沿線住民の苦しみなど微塵も感じていません。ヤリタイ放題です。自分達の目的がかなえば、市民が苦しもうが関係ないのです。京都市交通局は、おそろしい役所です。ひとは身分職の公務員になると、市民を人間とは思わなくなるです。だから、市バスの運転手までもが、警備員に向かって「市バスを止めたらあかんで!」とマイクで言うのです。信じられない役所です。その証拠に警察に逮捕される市バス運転手が後を絶たちません。