金閣寺前の道路渋滞による市バス遅延問題や混雑解消を解決する方法として、市バス12号系統と59号系統、さらに急行102号系統も「蘆山寺通」を通行し、また「快速立命館」や「立命館ライナー」と呼ばれる立命館大学行きのスクールバスと化した路線バスの増発で、「蘆山寺通」の市バス通過台数が著しく増加し、騒音や振動、排気ガス(CO2)が増えて困っています。「蘆山寺通」は市バスの専用道路ではありません。
ここで京都市交通局へのひとつの提案なのですが、例えば西大路通を北進する系統バスは「蘆山寺通」、西大路通を南進する系統バスは「馬代通~小松原通」「馬代通~今出川通(京福電鉄側道)」「馬代通~京都府立体育館~大将軍」「馬代通~丸太町通」に分散させて通行するようにすれば、「蘆山寺通」への市バス過剰運行による道路の傷みや交通渋滞、騒音、振動、排気ガス(CO2)を緩和させることができると思います。
日本政府は観光立国を目指していますが、地方は少子高齢化の多死社会で人口が減少しています。京都市も含め、地方都市では根本的な人の流れが減少しています。そこに観光地や大学への路線バス網を過剰に増やしても、結果は赤字経営となるばかりです。中国や韓国からの観光客や大学生以外でバスに乗る人は根本的に減っているのです。
京都市交通局の営業推進は、恣意的な「攻めの営業」を前面に出していますが、あくまでも京都市バスは市営団体、地方公共機関の公営企業です。民間バス会社ではありません。京都市営バスが完全に民営化すれば、無駄なサービスはすべて削ぎ落とさないと経営は成り立ちません。当然、市バスの所有台数や運転手の人数を減らし、職員も公務員待遇から民間バス会社並みの給与水準に下げないと経営は成り立ちません。公共サービスとして赤字にならないためには、必要最小限のサービスだけを残し、過剰運行や不必要な業務サービスはすべて廃止することが重要です。つまり、規模の縮小(ダウンサイジング)です。企業経営において、ひとつの事業、ひとつの路線でも赤字で運行し続けることなどありえないのです。
京都市内を毛細血管のように走る市バスの路線数を見直し、重複路線を整理することが最重要課題です。西大路や北大路、今出川通など大通りだけを巡回する路線だけを残し、神社仏閣や大学などに直結するような細かなルートは廃路にして、ひとを歩かせるようにすれば、赤字運行路線が大幅に減少させることができます。徹底的に無駄を排除するのです。財政破綻を回避するための唯一の方法は、出ていくお金を減らす事です。
立命館大学も滋賀県草津市や大阪府茨木市に学生を分散しています。現在の衣笠キャンパスの学生数はそう多くはありません。自動車通勤できない教職員がいるだけです。もちろん、すべての学生が通学しているわけではなく、下宿生も相当います。これからの時代、少子化で大学がスモール化して行くのです。抜本的な市バスの系統整理(減便や廃路)をする事が黒字化への近道です。売上(旅客収入)を伸ばすことよりも、リストラする方が効果は大きいのです。公共サービスは、規模を拡大すればするほど赤字が膨らみます。なぜなら、「採算度返し」で市民や権力者の要望を取り入れるからです。地方の交通ビジネスとは、限られたエリア内での閉ざされたビジネスです。成長のない地方で業務拡大する事などありえないのです。売上を伸ばそうとすると、それだけコストが膨らみ赤字になるのです。
中央集権の日本政府を当てにするのではなく、地方自治体自らが考えて実行することがこれからの時代に求められる本当の地方行政力です。これからの自治体は地方交付金に依存した財政体質から抜け出すことが肝心です。地方交付金は年々減額され、不足分を政府は臨時財政対策債という地方自治体が発行する地方債で補わさせているような国です。借金してもよいと政府が認めているのです。しかも、政府の帳簿にも載っていない。地方自治体も帳簿に載せていないという公債です。おそろしいです。
「親方日の丸」という意識は無くすことです。未来永劫、繫栄する国も企業も、この世にはありません。いつかは命と同じで消滅するのです。
官僚の統制による大きな政府の日本型社会主義では、国力は維持できません。観光を優先すれば、地域住民が犠牲になります。観光が主要産業の国というのは、やがて衰退します。世界の歴史を知れば、日本の未来がわかります。